電子処方箋に係る運用について 医療機関・薬局共通処方箋発行形態の選択処方箋発行処方箋受付・調剤処方・調剤情報の閲覧調剤結果取得オンライン診療・服薬指導、処方箋事前送付訪問診療 医療機関・薬局共通 Q1. 電子処方箋対応のシステム導入後に、紙の処方箋を発行又は受付した場合はどのようになりますか。A1. 電子処方箋対応のシステムを導入している医療機関・薬局であれば、紙の処方箋を発行又は受付する場合でも、電子処方箋管理サービスを介して、処方・調剤した薬剤の情報(処方・調剤情報)をやりとりすることができます。電子処方箋の発行又は受付する場合と同様に、重複投薬等チェックや他施設の処方・調剤情報の閲覧をすることもできます。 Q2. 情報漏えい等のセキュリティインシデントの発生が疑われる場合の対応について教えてください。A2. 本人同意を得て閲覧した医療情報や処方箋情報を電子カルテシステム等に保存することはできますが、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を踏まえ、適切な情報管理を行っていただくことが必要です。その上で、オンライン資格確認等システム及び電子処方箋管理サービスの利用にあたって、医療機関・薬局が保有するシステムにおいて医療情報等(本人同意を経て閲覧した医療情報や処方箋情報など)を保存・管理している間に発生したセキュリティインシデントについては、医療機関・薬局の責任範囲となります。また、医療機関・薬局からオンライン資格確認等システム及び電子処方箋管理サービスにデータを送信して到達するまでの間に生じたセキュリティインシデントについても、電気通信事業者等が医療機関・薬局の契約に基づき責任を負う通信経路で生じた場合等は、医療機関・薬局の責任範囲となる場合があります。各医療機関・薬局に対するサイバー攻撃等によって医療情報システムに障害が発生し、医療情報の漏えい等のセキュリティインシデントが疑われる場合は、以下の連絡先に速やかに報告してください。 医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室 電話番号:03-6812-7837 メール: igishitsu@mhlw.go.jpまた、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に基づき、併せて必要な所管官庁への連絡等を行ってください。なお、電子処方箋管理サービスを維持・運営する実施機関と、サービス利用者となる医療機関・薬局の責任分界については、「電子処方箋管理サービス利用規約」において詳細に定められておりますので、ご参照ください。 処方箋発行形態の選択 Q1. マイナンバーカードがないと電子処方箋は選択できないのですか。A1. マイナンバーカード、健康保険証のいずれの場合でも電子処方箋を選択できます。 Q2. 医療機関で患者が処方箋発行形態(電子/紙)を選択する方法を教えてください。A2. 医療機関の運用に応じて自由に選択いただけます。顔認証付きカードリーダーで患者自ら選択する方法(マイナンバーカード持参の場合のみ)、窓口や診察室で職員/医師が患者に口頭で確認する方法等があります。ただし、どの方法であっても、医師が処方箋を発行する際に患者が選択した処方箋の発行形態を確認できるようにしてください。 処方箋発行 Q1. 処方箋を発行後、処方内容を変更・削除することは可能ですか。A1. 可能です。ただし、変更した場合は引換番号も変更となるため、既に患者に引換番号を伝達している場合は(処方内容(控え)等)、新しい引換番号を伝えるようにお願いします。また、電子処方箋の場合は、再度電子署名が必要となる点についてご留意ください。削除した場合も同様に、既に患者に引換番号を伝達している場合は、当引換番号が使用できないことを伝えるようにお願いします。 Q2. 電子処方箋導入後も引き続き処方箋の有効期限は4日間ですか。A2. 従来どおり、特に記載(記録)がある場合を除き、交付日を含めて4日以内です。 Q3. 処方箋の有効期限を過ぎている場合でも、薬局側で処方箋の電子ファイルを取り込むことはできますか。A3. 処方箋の電子ファイルを取り込むことができます。また、期限切れである旨を確認することもできますので、患者と相談の上、後続の対応をお願いします。 Q4. 引換番号は、何桁でどのような形式(数字、アルファベット等)ですか。A4. 令和5年1月時点では、6桁の数字となります。(注)桁数は将来的に変更される可能性があります。 Q5. 処方内容(控え)は患者に必ず渡す必要がありますか。A5. 患者は、マイナポータル上で処方内容や引換番号を確認できるようになりますが、マイナポータルを利用できない場合等も考慮し、一律お渡しいただくようお願いします。(注)患者が希望された場合、紙以外の媒体(メール、FAX等)で提供いただくことも可能です。 Q6.今後、処方内容(控え)は廃止されますか。A6. 処方内容(控え)の運用は、マイナポータル上で自身の処方内容を閲覧する患者の割合が一定の水準への到達等までの過渡的な措置と考えていますが、廃止時期等は未定です。 Q7.電子処方箋を発行した後に、患者都合等で紙の処方箋に変更することはできますか。A7. 一度、電子処方箋管理サービスに登録した電子処方箋の取消処理を行った上で、紙の処方箋を発行することで変更できます。(紙の処方箋から電子処方箋に変更する場合も同じです。)なお、処方内容(控え)を既に患者に渡している場合は回収してください。 処方箋受付・調剤 Q1. 患者が電子処方箋を選択した場合、医療機関が電子処方箋対応の薬局に電子処方箋を送付する必要があるのですか。A1. 医療機関が薬局に電子処方箋を送付することはありません。患者は、電子処方箋に対応する任意の薬局に行き、調剤を受けるか、あらかじめ薬局に引換番号等を送付し、調剤を受けることになります。 Q2. 患者が電子処方箋を選択した場合、必ず患者自ら薬局に処方箋を送付する必要があるのですか。A2. 患者自身から薬局への引換番号等を送付することは必須ではありません。電子処方箋を選択した場合も紙の処方箋と同様、事前に薬局に引換番号等を送付することなく、患者が任意の薬局に行き、調剤を受けることができます。現行同様、薬局での待機時間を短縮するため、薬局に引換番号等を事前に送付し、来局前に薬局側で処方箋を電子処方箋管理サービスから取得することも可能です。 Q3. 電子処方箋を選択した患者が、処方内容(控え)を紛失した場合でも調剤できますか。A3. 薬局での患者の受付方法(マイナンバーカード/健康保険証)によって異なります。〇患者がマイナンバーカードで受付を行う場合患者は引換番号を薬局に提示することなく、顔認証付きカードリーダーで調剤対象の処方箋を選択し、薬局が処方箋を受け付けることができますので、調剤可能です。〇患者が健康保険証で受付を行う場合薬局では引換番号と被保険者番号等が必要となりますので、それらを患者が控えていない場合は、薬局又は患者から病院・診療所へ引換番号の問合せを行ってください。(処方内容(控え)を再度印刷する必要はありません。) Q4. 患者が電子処方箋を選択した場合、電子処方箋に対応する薬局に行く必要があるとのことですが、特定の薬局への誘導にあたらないでしょうか。A4. 電子処方箋は各医療機関・薬局の判断で導入することができ、患者自身も電子処方箋と紙の処方箋を選択することができるため、直ちに特定の薬局の誘導にあたるわけではありません。 Q5. 医療機関で電子処方箋を選択した患者が電子処方箋非対応の薬局に来局した場合、調剤はできますか。A5. 電子処方箋非対応の薬局で電子処方箋の受付及び調剤を行うことはできないため、電子処方箋に対応する薬局に行く必要があります。患者が医療機関で処方箋の発行形態を選択する際に、周辺のどの薬局が電子処方箋に対応しているか、また電子処方箋対応の薬局を検索する方法が分かる周知物を用意していますので、ご活用ください。 Q6. 処方箋の有効期限を過ぎている場合でも、薬局側で処方箋の電子ファイルを取り込むことはできますか。A6. 薬局では処方箋の情報を確認した上での患者対応が求められることから、有効期限が切れた処方箋の電子ファイルを取り込み、処方情報の閲覧をすることを可能としています。なお、紙の処方箋と同様に、有効期限が切れた処方箋を確認した場合には、患者に対して医療機関を受診してもらうよう促す等の必要な対応をお願いいたします。(注:電子ファイルの取り込み後、処方箋を医療機関で再発行する場合には、薬局では回収機能(※)を用いて回収処理を行ってください。)(※)調剤不要となった処方箋を無効化する機能 Q7. 電子処方箋導入後も薬局での処方箋保管期間は3年間ですか。A7. 従来どおり、保存期間は薬剤師法上は3年間ですが、調剤報酬請求の根拠資料となる処方箋は請求等の消滅時効を鑑み5年間となります。(注)医療扶助における電子処方箋の活用は検討中ですが、医療扶助では紙の処方箋の保管は5年間とされています。 Q8. 処方内容(控え)は薬局で保存する必要がありますか。A8. 処方内容(控え)は薬局で保存せず、患者に返却してください。 Q9. 電子処方箋導入後はどのように調剤録を作成し、保管すればよいのでしょうか。A9. 電子処方箋管理サービスに調剤結果ファイルを送付していただきますが、調剤録に関してはこれまでどおり作成、保管してください。 Q10. 電子処方箋管理サービスの障害に起因し、薬局が電子処方箋管理サービスから処方箋の電子ファイルを取得できない場合はどのように対応すればいいですか。A10.(注)障害発生時の対応については、運用マニュアルにも記載していますので、併せてご確認ください。本ケースにおいて、短時間で復旧しない場合は、薬局で以下のどちらかの対応を行ってください。・患者に対し、発行元の病院・診療所から紙の処方箋を取得するよう依頼する。(電子処方箋管理サービスにデータが登録できない状態のため、引換番号はない)・発行元の病院・診療所に対し、処方内容を照会し、FAX 等で受領した内容を基に調剤を行う。(別途、紙の処方箋を郵送等の手段で入手。上記同様、引換番号はない)上記と併せて、薬局から処方箋発行元の医療機関に対し、電子処方箋管理サービスに登録してある電子/紙の処方箋の電子ファイルを取り消すよう依頼してください。 Q11. 電子処方箋を導入した後、疑義照会はどのように行いますか。A11. 従来どおり、電話などで医師・歯科医師に疑義照会を行ってください。電子処方箋管理サービスで疑義照会を行う仕組みはありません。 Q12. 疑義照会を通して、処方内容と異なる内容で調剤された場合、医療機関側で電子処方箋管理サービス上の処方内容を修正する必要はありますか。A12. 現行運用同様、処方箋自体を書き換えるわけではないため、医療機関側が電子処方箋管理サービス上のデータを修正する必要はなく、電子カルテシステム上の修正だけで構いません。薬局が変更を反映した調剤結果を作成し、電子処方箋管理サービスに送信します。その上で、重複投薬等チェック等においては、調剤結果のデータを活用することになります。 Q13. 電子処方箋を利用する場合において、患者本人がマイナンバーカードを使わない場合には、保険薬局ではどのように対応すればよいでしょうか。A13. 患者本人が保険薬局の受付でマイナンバーカードを使わない場合には、電子処方箋と一緒に発行される「処方内容(控え)」に記載されている「引換番号」や健康保険証に記載されている情報が必要となります。 ※この場合、電子処方箋により、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号)に規定されている資格確認をすることは差し支えありません。 処方・調剤情報の閲覧 Q1. 健康保険証による受付の時に、患者の同意があれば過去の薬剤情報の閲覧ができるようになりますか。A1. 健康保険証による受付の際には、薬剤情報の閲覧同意のプロセスがなく、薬剤情報(他医療機関・他薬局における処方・調剤情報)の閲覧はできません。(注)同一医療機関で発行した処方箋に対する調剤結果は、薬局が電子処方箋に対応している場合、薬局から登録された調剤結果ファイルを医療機関で取り込めば参照可能です。 Q2. 患者の過去の薬剤情報を閲覧するに当たり、閲覧できる職種や時間に制限はありますか。A2. 医療情報閲覧アカウントをお持ちの方であれば閲覧できます。(オンライン資格確認等システムで用意しているアカウントの種類についてはオンライン資格確認等システムの操作マニュアル(管理者編))を参照願います。)また、閲覧できる時間については、患者がマイナンバーカードで受付を行い、薬剤情報の閲覧に同意した後24時間以内です。 Q3. 同意を得て閲覧した医療情報や処方・調剤情報を電子カルテシステムや薬局システムに保存、反映することはできますか。A3. 保存、反映することは可能ですが、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を踏まえ、適切な情報管理を行ってください。なお、電子ファイルを受信する際のファイル形式(XML/PDF形式)をシステム上で設定できますが、システムに反映させるためにはXML形式で受領する必要があります。適宜、システム事業者にご相談ください。 調剤結果取得 Q1. 疑義照会を行い、変更された処方内容について、医療機関側が参照する仕組みはありますか。A1. 参照する仕組みはあります。患者の同意有無に関わらず、処方元の医療機関であれば、発行した処方箋に対する調剤結果(疑義照会反映後)を参照・取込することができます。 オンライン診療・服薬指導、処方箋事前送付 Q1. オンライン診療・オンライン服薬指導でも電子処方箋の仕組みは使えますか。A1. ご使用いただけます。ただし、外来時と異なり、患者が顔認証付きカードリーダーを操作することができません。そのため、健康保険証で資格確認を行うことになり、患者が薬剤情報の提供に同意できないため、医師・歯科医師、薬剤師は過去の薬剤を見れない等の制約があります。※令和5年1月時点では対象外ですが、オンライン診療、オンライン服薬指導の際にもマイナンバーカードで資格確認や同意等を行える仕組みを検討中です。 Q2. オンライン服薬指導や処方箋の事前送付において、薬局外の患者から引換番号と被保険者番号等を受け付ける場合、電子版お薬手帳アプリ以外の方法でも問題ないですか。A2. 電子版お薬手帳アプリ以外にも、オンライン服薬指導アプリ(※)や電話、FAX等、手段は問いません。(※)アプリ等を介した連絡方法については、事前に運営事業者等にご確認ください。 訪問診療 Q1.訪問診療でも電子処方箋を利用できますか。また、どのような運用になりますか。A1. ご使用いただけます。訪問診療後、患者自ら薬局に処方箋を持参せず、薬剤師等が患者宅等に薬剤を持参する前提ですが、以下の運用を想定しています。----①医師が患者宅等で診療を行う。※現行運用どおり、その場で紙の処方箋を印刷することも可能。(電子処方箋選択の場合は印刷不要。)②医師が医療機関に戻る。③電子処方箋、紙の処方箋に関わらず、医師が処方内容を含む電子ファイルを作成し、電子処方箋管理サービスに送信する。④医療機関から薬局に引換番号と被保険者番号等を電話、FAX等で送信する。※手段は問いません。⑤薬局が電子処方箋管理サービスから処方内容を含む電子ファイルを取り込む。⑥薬剤師が調剤を行う。⑦薬剤師が患者宅等に薬剤を持参する。----※患者の状態によっては、都度の処方箋発行形態の確認等が難しい可能性があるため、訪問診療の契約時に確認し、以降同じ発行形態とすることも可能です。※令和5年1月時点では健康保険証による受付が前提となります。訪問診療の際にもマイナンバーカードで資格確認や同意等を行える仕組みを検討中です。